所在地 / 日向市美々津町字上町、中町、下町、上別府の一部
指定年月日 / 昭和61年12月8日
美々津は、古い歴史をもつ港町で、中世末期には集落が営まれていたと考えられている。
美々津港は、今でこそ、小さな漁港にすぎませんが、かつては懐深い天然の良港として大いに賑わっていた。特に江戸時代は、高鍋の蚊口港とともに高鍋藩の商業港として重要視され、藩主秋月氏も、この港を参勤交代に利用していた。
なかでも保存地区に選定された上町、中町、下町の立縫区は、耳川河口に築かれた港の隣接地として、独自の発展をとげたところで、江戸時代から明治時代の建物が数多く残っている。
また港から南に延びる3本の主道路や、それらと直交するツキヌケ(火防地)は、江戸時代に設定されたものと言われており、旧い敷地割や石畳などとともに、美々津の歴史的景観を構成する重要な要素となっている。
なお保存地区は、7.2ヘクタールの面積を測り、その中に95棟の伝統的建造物と、土塀や石垣、樹林帯などを含む40件の環境物件が所在しており、「周辺の豊かな自然環境とともに歴史的な港町として価値が高い」と評価されている。