市政方針
平成23年2月25日(平成23年第2回日向市議会【定例会】)
市政の基本方針
まず、平成23年度の市政の基本方針について申し上げます。
新年度の方針をお示しするにあたって、昨年の口蹄疫を抜きにして語ることはできないと考えております。
昨年、宮崎県において発生した口蹄疫は、日本全土を震撼させる事態となりました。さらに、年が明けてからも、高病原性鳥インフルエンザの発生や新燃岳の噴火など、これまで想像だにしなかった度重なる災害に、大きなショックを禁じ得ない方も多いのではないでしょうか。
改めまして、被害に遭われた皆さま方に心からお見舞いを申し上げますとともに、物心両面にわたって温かいご支援をいただいた皆さまに深く感謝を申し上げ、地域経済の一日も早い復興に向けた取組みに、引き続き全身全霊を傾けてまいりたいと考えております。
一方、喜ばしい出来事といたしまして、本市が誇る「細島港」が国の重点港湾に選定されたこと、そしてさらには、東九州自動車道「門川〜日向間」の供用開始など、高速道路の全線開通がいよいよ現実的になったことが非常に印象的でありました。いずれも県北住民の悲願でありましたので、感慨もひとしおでありますし、まさに、日向市の新たな歴史が展開されるターニングポイント(転換期)となるのではないかと考えているところであります。
このような中にスタートする平成23年度は、日向市が誕生して60年という節目の年であるとともに、東郷町との合併5周年にも当たる年でもあります。還暦を迎えた日向市、この記念すべき節目を、日向市が新しいステージへと上がるための門出として位置付け、今後とも、さらなる施策の展開を図ってまいりたいと考えております。そして、その幕開けとなる平成23年度につきましては、これからの日向市を創生する未来図を描く年にしたいと考えているところであります。
その方向性について少し申し上げますと、まずは、口蹄疫をはじめとした度重なる災害からの地域経済の復興であります。基幹産業である第1次産業の振興はもとより、商工業と連携した第6次産業の創造など、地域経済全体の底上げを図ってまいりたいと考えております。
次に、重点港湾「細島港」や着々と整備が進む高速道路など、新たに加わった本市の強みを生かした物流体系の構築や新たな企業の誘致など、戦略的なまちづくりの方向性を「細島港を核としたグランドデザイン」としてお示ししたいと考えております。
計画の策定にあたりましては、「日向地域産業の総合的活性化推進事業」の中で、商工業、農林水産業をはじめ全産業から幅広く意見を求め、検討協議を行いながら策定してまいりたいと考えております。
また、消防防災や情報分野における先進的なシステムの導入や、環境分野における生ごみや間伐材などのバイオマス資源の有効利活用、地域福祉のさらなる推進など、市民の皆さんの暮らしを支えるシステムの構築についても取り組んでまいりたいと考えております。
さらに、総合計画の基本理念である「市民との協働」のまちづくりにつきましても、現在モデル事業を展開しております新しいコミュニティ制度の本格導入や、「市民活動支援基金」の活用など、さらに積極的に推進してまいりたいと考えております。
今申し上げましたような方向性につきまして、市民の皆さんとも十分に意見交換をさせていただきながら、平成23年度に策定する「新しい日向市総合計画」の後期計画につなげてまいりたいと考えているところであります。
なお、厳しい経済情勢が続くなか、将来にわたって健全で持続可能な地域経営を継続していくことは、私たち地方自治体の責務であります。平成23年度には、総合計画とあわせて、行政改革大綱と財政改革プランを策定することとしておりますので、行政の効率性、能率性のさらなる向上や自主財源の確保策等についての具体的な取組みをさらに推進してまいりたいと考えております。
最後に、市制施行60周年についてでありますが、私が考える60周年のキーワードの一つは「温故知新」であります。個性的で魅力溢れる日向市の将来像を描いていくためには、過去や現在の日向市を彩りながら継承されてきた豊かな文化や美しい自然、優れた人材などを深い尊敬の念をもって理解し、顕彰することが何よりも不可欠であります。そして、それらをしっかりと踏まえた上で、将来へ向けてのさらなる飛躍を図ってまいりたいと考えております。
馬ケ背にあります牧水の歌碑に「樹は妙に草うるはしき青の国 日向は夏の香にかをるかな」という歌がありますが、この歌は自然に恵まれた故郷「日向」に対する賛辞の歌であります。今回、この歌から名づけた「青の国大賞」を創設することとし、本市の地域活性化に対し、特に功績のあった方々を、11月に予定しております市制施行60周年記念式典におきまして、市民の皆さんとともに顕彰させていただく予定としているところであります。さらに、全国から参加者が集う「囲碁サミット」や「全日本サーフィン選手権大会」など、地場産業と観光資源を融合させた本市ならではの特色ある記念行事についても年間を通して開催してまいりたいと考えております。
いろいろと申し上げましたが、平成23年度は、将来の日向市を創生する未来図を描く年として位置付け、さらなる施策の「選択と集中」による戦略的展開を図ることで、どこにも負けない、元気で活力ある日向市の実現に向け取り組んでまいる所存であります。
そのためには、皆様方とともに知恵を出し合いながら創意工夫して取組みを進めていくことが重要でありますので、引き続き、議員各位ならびに市民の皆さんの温かいご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
予算編成の基本的な考え方
平成23年度当初予算につきましては、これまでに引き続き、年間に見込みうる経費を全て計上する「通年予算(年間予算)」として編成することとし、本年度において重点的に取り組む分野への財源を捻出することにより、自主・自立性、戦略性の高い事業の構築を目指したところであります。
さらには、「市民との協働」と「地域力の活用」を基本理念として、市民本位の行政サービスの実現に向けた「地域経営」への転換を目指すため、「人、モノ、金、情報」の経営資源を最大限に活用し、地域価値の向上への積極的な施策の展開を行うこととしております。
平成23年度予算におきましては、基本コンセプトに「安定した雇用、子育て・高齢者支援、協働のまちづくりを推進し、すべての市民が幸せを実感できる、活力のある、やさしく、自立したまちづくり」を掲げ、
@安定した雇用を確保するための施策と口蹄疫被害に対する復興対策の実施
A少子・高齢化対策や障害者へのきめ細かな対応
B教育面での人材力の強化推進
C市民との協働による新しい地域づくりへの取組み
D地域の独自性を発揮し、地域の価値を高めるための新たな魅力あるまちづくりの推進
に重点的に取り組むこととしたところであります。
また、市税等の収納率向上や的確な課税客体の把握などにより、歳入の確保を図りながら、経費の節減にも努め、効率的な行財政運営を行っていくとともに、メリハリのある施策・事業の「選択と集中」を積極的に進めることとしております。
その上で、将来世代への持続可能な財政基盤を確立することを目指して、市民の視点に立った制度や事業の抜本的な見直しを行い、ゼロベースからの事業の構築を推進することとしております。
以上述べました基本方針に沿って、当初予算を編成したところであります。
平成23年度の重点施策
平成23年度の重点施策について、「新しい日向市総合計画」に掲げております5つの分野別施策体系に沿って、その概要をご説明申し上げます。
1.未来を拓く人が育つまちづくり
(1)楽しみ生きがいを感じる生涯学習社会づくり
乳幼児から高齢者まですべての世代に、その年齢にふさわしい生涯学習活動を提供できるような事業を展開してまいります。そのため、公立公民館を中心とした学習機会と学習の場の提供、地域での活動の拠点となる自治公民館整備の支援を進めます。
地域の情報拠点である市立図書館の子どもスペースを拡げ、誰もが利用しやすい施設となるよう整備します。
新たに、「放課後子ども教室推進事業」を導入し、放課後の子どもたちの適切な遊びや生活の場を確保したり、地域の方々の参画をいただきながら、学習やスポーツ・文化活動、地域住民との交流活動などの取組みを実施することにより、子どもたちが地域社会において安心して健やかに育つ環境の整備に取り組んでまいります。
青少年健全育成に向けた取組みとして、青少年育成センターや青少年相談室において、子どもの生活環境を守る活動を充実するとともに、学校・家庭・地域が一体となった家庭教育力や地域教育力の向上を図ってまいります。
(2)創造性豊かでたくましい人を育む基盤づくり
中学校での30人学級の編成については、中学校2校で実施することとしており、進路指導などに配慮したきめ細かな学習指導、生徒指導を行ってまいります。
小中一貫教育については、英語指導助手(ALT)を配置して英語による実践的コミュニケーション能力の育成を図るための「英会話科」や、ふるさとを愛する心を育む「ふるさとの時間」を市内全小中学校で実施することとしており、義務教育9年間を見通した教育の実践を図ってまいります。
本年4月開校予定の「東郷学園」は本市が進める小中一貫教育校として3番目の学校となりますが、小中学校が連携し、児童生徒の個性、能力、適性に応じた継続的指導により、東郷地域の実情に即した学校教育をさらに推進してまいります。
また、開校に伴い、遠距離通学児童生徒の安全性を確保し、保護者の負担軽減を図るため、スクールバス3台を運行することとしております。
将来の日向を担う子どもたちの人材力の強化のため、新たに「ひゅうがっ子学力向上推進事業」に取り組むこととしており、特に、理数系教科対策としまして、学校の先生方の指導力の向上を図るとともに、外部講師や学力向上サポーター等を活用して、子どもたちに確かな学力の定着を図りたいと考えております。
教育施設の整備として、本年度は、日知屋東小学校、細島小学校の耐震補強工事を実施するとともに、その他の施設整備についても取り組んでまいります。
学校給食については、安全安心でおいしい給食の提供を安定的に行うとともに、食育の推進に努めてまいります。また、新しい学校給食中央共同調理場建設に向けた検討にも着手することとしております。
(3)地域の個性を生かした文化・生涯スポーツの振興
文化事業については、「日向市総合文化祭芸能・芸術部門」や「日向市美術展覧会」等を開催するとともに、「児童美術展」や「こども短歌コンクール」を新たな手法で開催し、より多くの子どもたちが新たな感性を育む機会を提供します。さらに郷土の歌人「若山牧水」の顕彰と、「若山牧水」を生かしたまちづくりを推進します。
生涯スポーツ事業については、国の「スポーツ立国戦略」の動向も視野に入れながら、「日向市総合文化祭体育部門」や「日向ひょっとこマラソン」等の開催など、ライフステージに応じた、生涯スポーツの振興に努めます。
今後とも、スポーツの持つ健康増進機能、青少年の心身の発達、スポーツを通じた住民相互の新たな連携を促進するとともに、施設整備を含めた、安全安心な活動環境を提供します。
文化財事業につきましても、美々津伝統的建造物群保存地区の歴史的景観の保全に必要な修理、修景をはじめ、市内の文化財の総合的な保全・整備や活用について充実してまいりたいと考えております。
(4)人権と平和を尊重する人づくり
同和問題をはじめとするあらゆる人権問題について、正しい理解と認識を深めるため、人権尊重の理念を重視した行政を積極的に推進するとともに、日向市男女共同参画プランを改定し、さらなる男女共同参画社会づくりを推進してまいります。
また、原爆パネル展の開催や長崎市で開催される「青少年ピースフォーラム」への中学生派遣など、世界恒久平和の実現に向けた各種事業を引き続き積極的に推進してまいります。
2.健康で安心してくらせるまちづくり
(1)いきいき健康まちづくり
平成23年2月1日にスタートした子宮頸がん予防ワクチン等の接種につきましては、引き続き全額公費助成を実施してまいります。
救急医療体制につきましては、在宅当番医制運営事業、二次救急病院への補助事業を継続し、初期及び二次救急医療の充実に努めてまいります。
また、宮崎県地域医療再生計画に盛り込まれている、日向入郷地域の二次救急勤務医の支援策につきましても、引き続き実施し、二次救急医療体制の充実を図ります。
開所以来3年目を迎える「日向市初期救急診療所」につきましては、日向市東臼杵郡医師会、日向市・東臼杵郡薬剤師会などのご協力をいただきながら運営しているところでありますが、時間外の初期救急医療体制の充実と二次救急医療機関の負担軽減をめざし、「ユビキタスタウン構想推進事業」とあいまった、円滑な運営に努めてまいります。
国民健康保険事業につきましては、引き続き、収納率の向上、医療費の適正化、保健事業の推進を柱に各種施策を展開し、国保財政の安定化に努めるとともに、特定健診の受診率向上、特定保健指導の実施率向上に取り組んでまいります。
市立東郷病院につきましては、医師の増員により、平成23年度以降の体制維持が確保されたところでありますが、今後とも、地域医療の充実に努め、平成21年3月に策定した「日向市立東郷病院改革プラン」の点検・評価を行いながら、経営改善を図ってまいります。
(2)地域でともに支えあう社会づくり
市民の皆さんが住みなれた家庭や地域で安心して暮らしていただけるよう、一人ひとりが自立し、それぞれの持っている力を発揮しながら、お互いに支えあう地域社会の実現を目指すため、「日向市地域福祉計画」に基づき、「自助・共助・公助の基本理念のもと、日向市社会福祉協議会をはじめ、市民、関係団体・機関等との協働により具体的な事業を推進してまいります。
子育て分野におきましては、商工会館内に開設しております「集いの広場」やファミリーサポートセンター事業などを継続して実施するほか、高齢者等への対策においては、特に、地域における支えあいの原点ともいえる、災害時に一人で避難できない方々への対応策として導入した「災害時要援護者登録システム」による避難支援体制の整備につきまして、市内全域への拡大と登録内容の更新を推進してまいります。
また、急増する生活保護相談に対応するため、組織体制を強化して相談業務の充実を図り、生活保護行政の適正運営に努めます。
(3)安心して子どもを生み育てられる社会づくり
「日向市次世代育成支援後期行動計画」に沿って、多様な保育サービスの充実や放課後子ども教室の設置に取り組み、安心して子どもを生み育てられる社会づくりを推進してまいります。
特に、子どもへの虐待が深刻な社会問題となっていることから、児童虐待防止に向けた取組みとして、生後4カ月までの乳児家庭の全戸訪問及び養育支援事業を実施してまいります。
また、子育て支援の総合化とワンストップサービスの向上を図るため、母子保健業務をこども課で実施することとします。
これに合わせて、市立図書館では、子育て支援事業のひとつとして、母子保健事業との連携を図りながら「ブックスタート」事業をさらに充実してまいります。
(4)高齢者が生きがいを持って安心してくらせる社会づくり
高齢者が住みなれた家庭や地域で自立した生活を送ることができ、また、自らが望む必要なサービスを適切に受けられるよう、安心して、生きがいを持って暮らすことができる活力ある長寿社会を目指し、利用者のニーズに対応できる認知症グループホーム等の施設整備を支援することにより、「地域密着型サービス」の充実を図ります。
また、「地域包括支援センター」につきましても、本年1月から、本市規模の市の標準的な設置数を上回る6ヶ所に拡大し、高齢者の皆さんにとりまして、より地域に身近で、きめ細かな総合的支援を図ってまいりたいと考えております。
(5)障がいのある人が自立した生活を営むことができる社会づくり
市民のだれもが、相互に人格と個性を尊重し支えあう「共生社会」の実現をめざし、「第2期障がい福祉計画」に基づき、総合的な支援を実施してまいります。
また、私のマニフェストにも掲げております市民と障がい者の交流の拠点として整備していた新しい障がい者センター「あいとぴあ」が、4月1日にオープンしますが、今後とも、障がいの有無にかかわらず市民だれもが集える拠点として、より一層の「共生社会」の実現を目指してまいります。
(6)消防・防災体制の整った社会づくり
常備・非常備消防の整備強化を図るとともに、地域消防の担い手である消防団の活性化や自主防災組織の拡充及び育成強化を促進し、市民や地域に消防・防災に関する意識の啓発を行います。
また、行政と市民が一体となった総合的な消防防災体制を確立し、住宅火災での被害者を出さないために「住宅用火災警報器」の市内全戸設置を促進してまいります。
平成23年度は、消防指令システムを、最新の情報機器が装備された高機能消防指令システムに更新することにより、119番受信から現場到着までの迅速化と災害活動の効率化が図られ、住民サービスの向上と災害被害等の軽減に寄与するものであります。
さらに、医療機関との連携強化を推進し、救急医療の充実に取り組んでいくとともに、平成22年度に実証実験を行った「ユビキタスタウン構想推進事業」につきましても、本格的な運用を開始します。
災害情報等の早期伝達手段として、昨年度整備した全国瞬時警報システムと併せて「同報系防災行政無線」を活用し、地域防災力の向上に努めるとともに「同報系防災行政無線設備」のデジタル化に向けた基本設計等を行います。
(7)防犯・交通安全・消費者保護対策の強化と衛生対策の充実
安心して生活することができるまちづくりを目指して、関係機関や団体との連携を強化し、地域における自主防犯活動の活性化を図りながら、交通事故や地域犯罪から市民の生活を守るための啓発活動を行い、総合的な地域安全の推進に努めてまいります。特に、地域犯罪を未然に防止するため、より照度の高いLED防犯灯の計画的な整備を進めてまいります。
また、「日向市消費生活センター」において、市民が悪徳商法や振り込め詐欺等の被害に遭わないように、「出前講座」等で情報発信や啓発活動を行うとともに、消費生活専門相談員を中心に多重債務など多種多様な相談に対応してまいります。
衛生対策につきましては、国・県等との連携を強化していくとともに、市営墓地の適正な維持管理及び、畜犬事業における狂犬病予防注射接種の推進や飼養マナーの向上についての啓発活動を引き続き行ってまいります。
3.元気で活力ある産業が育つまちづくり
(1)豊かな食とくらしを創造する農林水産業の振興
「日向市農林水産業振興計画」に沿って、地域の特性を生かした足腰の強い農林水産物ブランド化の確立を図るために、口蹄疫からの再興支援をはじめ、高病原性鳥インフルエンザ等家畜伝染病防疫対策の強化を図ります。
また、集落営農、農地・水・環境保全向上対策事業、戸別所得補償制度事業等を有機的に活用するとともに、鵜毛・籾木地区の基盤整備事業を実施することによる農地資源の汎用的活用計画の指導や、優良農地の確保の観点から耕作放棄地の解消・発生防止に向けた取組みを推進し、このことによる営農組織の強化や法人化を地域ごとに推進してまいります。
さらに、農畜産物の安定的な供給と価格の安定、生産農家の確保と生産意欲の向上を図るため、市場活性化支援策に取り組むとともに、食育を通じた地産地消の推進に努めてまいります。
あわせて、日向市特産「へべす」をはじめ、施設野菜等の農産物ブランドの生産と、消費拡大に努めてまいります。
また、豊かな森林資源の循環的利用のための未植栽地の解消や森林施業の効率化及び生産コストの縮減を図るための林道等の整備に努めるとともに、定住自立圏形成協定に基づき、木質バイオマス活用システムやカーボン・オフセットについての調査研究に取り組むなど、今後とも、関係市町村との連携を図りながら、課題解決に向けた攻めの農林水産行政の施策を計画的かつ積極的に推進してまいります。
(2)知恵と技術に立脚した商工業の振興
商工業や中小企業等の振興につきましては、「日向市中小企業振興計画」に基づき、経営基盤の強化を目指し、起業の支援や各種産業の育成・強化と連携を図ってまいります。さらには、口蹄疫で被害を受けた商工業者の復興を支援するため、「中小企業特別融資事業」を拡充し、「口蹄疫緊急対策貸付利子補給金」を昨年度に引き続き実施するとともに、経営・融資相談体制の強化を図ってまいります。
また、企業立地の推進は、地域経済の活性化や雇用の創出、若者の流出を抑制する上で最重要課題でありますので、本市の持つ企業立地環境を最大限に生かすとともに、助成措置の拡充を行い、積極的な企業誘致を展開してまいります。
重要港湾細島港につきましては、九州の扇の要という地理的条件や、開通が間近となった東九州自動車道の整備とリンクした17号岸壁の早期整備について、細島港振興協会とも連携を図りながら、国や県に要請するとともに、貨物集荷を積極的に推進するため、国・県と一体となった奨励事業の拡充を図ります。
今日の、口蹄疫をはじめとした度重なる災害からの地域経済の復興や、基幹産業である第1次産業の振興はもとより、商工業と連携した第6次産業の創造など、地域経済全体の底上げを図っていくことが本市の喫緊の課題であると認識しているところであります。
平成23年度におきましては、重点港湾に選定された「細島港」や着々と整備が進む高速道路など、新たに加わった本市の強みを生かした物流体系の構築や新たな企業の誘致など、戦略的なまちづくりの方向性を示す「細島港を核としたグランドデザイン」を計画策定します。
計画の策定にあたりましては、商工業、農林水産業、建設業、観光業、運送業など全産業からの様々なご意見が反映されるよう、検討・協議の場を設け進めてまいりたいと考えております。
(3)意欲にあふれ安心して働ける就業環境の整備
「日向地区中小企業技能センター」の機能を生かし、未就職者や高校生に対して平成22年度に創設した「日向マイスター」制度の活用などによる講習会を開催するなど、より高度な人材の育成を図ってまいります。
また、インキュベーション施設「夢プラザ」のビジネス支援としての機能を充実させ、市内で新たな起業を企画する皆さんを積極的に支援し、事業所の増加や雇用の改善を図ってまいります。
さらには、昨今の厳しい雇用情勢を踏まえ、国・県の関係機関と連携した緊急雇用創出事業等にも積極的に取り組み、新たな雇用創出の機会をできる限り提供するとともに、雇用に関する説明会等情報の発信を積極的に行ってまいります。
(4)豊かな自然とおもてなしの心で育まれる観光の振興
新しい「日向市観光振興計画」に基づき、郷土の自然環境や、歴史・伝統・文化など、本市の持つ地域資源の魅力を最大限に活用しながら、「訪れた人」、「住む人」、「まち」がともに元気になる観光まちづくりをさらに推進してまいります。
九州新幹線の全線開業や、東九州自動車道の「門川〜日向間」、「西都〜高鍋間」の供用開始など交通体系の整備が進む中、観光を取り巻く社会環境や、大型クルーズ船の参入など観光に対する人々のニーズが変化しております。
このようなことから、より多くの選択肢を持つ広域観光資源の提供を可能とするため、周辺市町村との広域連携を重視した、体験・交流型のグリーンツーリズムやエコツーリズムなどの観光商品の開発に取り組んでまいります。
また、「海の駅ほそしま」や「日向サンパーク温泉」、「牧水公園」など、本市の観光拠点施設の利用を促進し、また施設の充実を図るなど、滞在型観光の推進と観光による地場産業の活性化を図ってまいります。
さらには、本市が誇る日向岬や伝統的建造物群のある美々津地区、牧水の里など、優れた自然環境や歴史的・文化的資源を活用した様々なイベントなどを企画開催することとしております。
お倉ケ浜や金ケ浜など、その景観とサーフィンのメッカとしての優位性を生かした、観光と連動したマリンスポーツの振興にも取り組むこととしており、本年8月には全国から1000人を超える競技者が集う「全日本サーフィン選手権大会」の誘致が決定したところであります。
そのほか、「国際プロサーフィン大会」や「のりのりカップ」などの大会の開催も支援してまいります。
また、本市の観光大使である「萩本欽一」氏をはじめ、市民栄誉賞受賞者である「黒木知宏」氏や「青木宣親」氏などのご協力をいただきながら、観光スポットや特産物等のPRや情報発信にも積極的に取り組んでまいります。
4.自然と共生した快適な環境のまちづくり
(1)人と自然の共生した環境にやさしい社会づくり
市民、事業者、行政との協働による資源循環型社会の構築をめざし、プラスチック製容器包装や古布の週2回収集など大幅な拡充を行い、全ての者が循環型社会を形成していくための、ごみに対する意識の高揚を図るとともに、ごみの一層の減量化・資源化を推進してまいります。
また、環境基本計画の見直しを行うこととし、生ごみの分別収集システムの研究を行うなど、日向の豊かな海、川、森林など自然環境の保全及び地球温暖化防止の取組みを推進してまいります。
(2)良質な水の供給と処理
「安全でおいしい水」を安定供給するため「日向市水道ビジョン」及び「日向市簡易水道施設統合整備基本計画」に沿って事業を推進し、上水道との年次的統合などの施設整備や有収率の向上など経営基盤の強化を図ってまいります。
また、よりよい河川・海域環境を保全するための生活排水対策につきましては、引き続き公共下水道事業や都市下水路事業を計画的に推進していくとともに、効率的な維持管理を図ってまいります。
あわせて、公共下水道事業及び農業集落排水事業の区域外につきましては、浄化槽設置整備事業を進めてまいります。
(3)災害に強く快適な住環境の整備
財光寺南土地区画整理事業につきましては、県北地方拠点都市地域の財光寺居住拠点地区にふさわしい、良好な居住環境の整備を図るために、家屋移転を優先するとともに、県道土々呂日向線の西側の歩道整備を行い、歩行者等の安全確保を図ってまいります。
幡浦地区及び財光寺南部地区の住環境整備事業につきましては、引き続き地区内の道路や排水施設の整備を行い、安全安心な住環境の改善に努めてまいります。
市営住宅の整備につきましては、住宅の長寿命化と改修・維持、管理コストの縮減を図るために策定した「日向市公営住宅等長寿命化計画」に基づき、改修工事や高齢者向け住宅供給のための住戸改善を行います。
建築物の耐震化につきましては、「建築物耐震改修促進計画」に基づき、公共及び民間建築物の耐震改修促進に努めるとともに、昭和56年5月以前に建築された木造住宅の耐震性の向上を図るため、耐震診断、アドバイザー派遣や新たな耐震改修助成などを実施、支援します。
(4)自然に調和した安全・安心な公園・緑地・水辺環境の整備
お倉ヶ浜総合公園につきましては、総合公園としての機能充実を図るため、駐車場の整備を行い、市民の皆さんをはじめ、大学・社会人キャンプなど利用者の利便性の向上を図ります。
また、そのほかの都市公園につきましては、施設などの環境整備を計画的に実施し、地元自治区との連携を図りながら管理を行い、安全安心な公園維持に努めてまいります。
(5)美しい景観の保全・形成と土地利用の推進
景観まちづくりにつきましては、景観の保全とその地区独自の良好な景観の創出を図るため、細島地区、牧水の里地区に引き続き、平成23年度は、美々津・幸脇地区の「景観計画」の策定に着手します。
また、「全市公園化構想」につきましては、全市域を「憩いの公園」として捉え、緑豊かな美しい都市を形成するために、地域の特性を生かした「緑のスポットづくり」や、市街地の景観緑化を目指し、市民、各種団体の皆さんと一緒に、緑のまちづくりに取り組んでまいります。
また、都市的土地利用につきましては、都市計画マスタープランに基づき、社会情勢の変化に対応した計画的かつ適正な土地利用の推進に努めてまいります。
5.活発な交流により豊かさが享受できるまちづくり
(1)地域づくりを支える団体等の育成
市民がお互いに、あるいは市民と行政が協力して課題解決を目指す「協働のまちづくり」を推進し、市民と行政がそれぞれの役割に応じたまちづくりを行うための環境整備や「協働」についての学習機会の提供に取り組んでまいります。
また、現在取り組んでおります「新しい地域コミュニティ組織づくり」につきましても、モデル地区であります塩見、細島、平岩の3地区に支援し、地域の特徴を生かした市民主体のまちづくりの実現に向けて、本事業の全市的な拡大を図ってまいります。
「協働のまちづくり推進事業」におきましては、昨年12月に設置しました「日向市市民活動支援基金」を活用いたしまして、ソフト事業だけでなく、地域の自由な発想で行うハード面での支援も行うこととしております。
また、市民活動支援センターの体制を充実し、協働のまちづくりの担い手・リーダー育成や男女共同参画社会づくりに積極的に取り組んでまいります。
(2)交流・連携を促進する交通環境の整備
長年の悲願でありました東九州自動車道の「門川〜日向間」が昨年12月に開通いたしました。残る東九州自動車道の県内全線の早期開通や、九州中央自動車道(九州横断自動車道延岡線)の整備促進を図るため、両路線の要望活動を積極的に展開してまいります。
また、東九州自動車道とリンクする細島港が昨年8月に全国43ヶ所の重点港湾の一つに選定され、東九州の物流拠点の要としての役割を果たすために、日向インターと細島港を結ぶ、県道日知屋財光寺線の暫定2車線区間の4車線化に向けた早期整備を、強く要望してまいりたいと考えております。
国道10号門川日向拡幅(財光寺地区)事業を支援するため、引き続き、用地代行買収事業を実施するとともに、中心市街地の都市計画道路「駅北通線」についても、事業の推進を図ってまいります。
生活道路の整備につきましては、市道整備実施計画等を踏まえながら、継続路線の早期完成に努めてまいります。
(3)にぎわいと活気に満ちた中心市街地の形成
昨年度、日向市駅西側駅前交流広場の「木もれ日ステージ」が完成し、駅周辺地区の主要な交流拠点施設の整備が完了いたしました。また、13街区におきましては、核店舗となるスーパーが営業を開始しております。
今後、これらの施設を市民の皆さんが積極的に活用していただくことにより、街なかの賑わいが創出されていくものと期待しているところであります。
また、日向市駅周辺地区の土地区画整理事業につきましては、昨年度に引き続き、第1工区(上町及び鶴町地区)に残る家屋移転を進めるとともに、第2工区(本町地区)においては、昨年度から進めております先行買収を行い、部分的な仮換地指定を行います。
(4)高度情報化の推進
「日向市地域情報化計画」に基づいて、市民が等しく情報を享受できる快適で利便性の高い市民生活の実現を目指し、今年7月のテレビの地上デジタル放送移行に伴う難視聴地域の全世帯解消に向けて最大限の対応をしてまいります。
また、平成21年度から国の実証事業に参加し研究を進めてまいりました「自治体クラウド」を、平成23年度から段階的に導入します。これにより、各自治体ごとに運用してきた情報システムに代わって、外部のデータセンターにあるシステムを共同で利用することとなり、メンテナンスコストの削減や災害発生時等のリスク回避等、大きな改善が図られるものであります。
(5)国際化の推進
今年は、「中国山東省い坊市」との友好都市締結25周年という節目の年となります。
このことを記念し、11月に開催予定の「日向市制施行60周年記念式典」にい坊市から訪日団を招へいするとともに本市からもい坊市訪問団を派遣し、友好関係を深めていくための記念事業を行うこととしております。
また、8月には本市の小学生8名をハワイ州モミラニ小学校へ派遣し、10月にはモミラニ小学校から児童8名を受け入れ、相互に交流やホームステイ等を体験させる「小学生英会話研修事業」を実施することとしております。
各会計の予算額
以上申し上げました重点施策を含む平成23年度の各会計の予算額は、
- 一般会計
- 266億7,000万円
- 公営住宅事業特別会計
- 4億3,000万円
- 財光寺南土地区画整理事業特別会計
- 4,200万円
- 用地取得特別会計
- 3億5,200万円
- 城山墓園事業特別会計
- 600万円
- 簡易給水施設特別会計
- 120万円
- 細島東部住環境整備事業特別会計
- 1,100万円
- 簡易水道事業特別会計
- 2億6,800万円
- 下水道事業特別会計
- 18億7,200万円
- 農業集落排水事業特別会計
- 1億4,700万円
- 国民健康保険事業特別会計
- 76億1,800万円
- 介護保険事業特別会計(保険事業勘定)
- 42億1,500万円
- 日向入郷地域介護認定審査事業特別会計
- 3,900万円
- 後期高齢者医療事業特別会計
- 5億5,000万円
- 水道事業会計
- 17億7,566万5千円
- 病院事業会計
- 4億1,889万5千円
となります。